ストリートライブ

ストリートライブをやるのがこれほど大変とは思わなかった。
先日やっとライセンスを手に入れたので
今日は朝から楽器屋へ行き、予約しておいたアンプと専用バッグを購入しようとしたのだが、やはりここはアイルランド。
水曜日に届くように手配しておくと言っていたバッグが、本日金曜日、どういうわけか届いていないという。
「どういうわけか」というのは中井が英語を聴きとれなかったのではなく、店員さんがそう言っていた。
さすがアイルランドだ。
こういうアイルランドのいい加減さにはもう慣れたので大して怒らず、アンプはもともと在庫のあるものだと知っているため、6ユーロほど安い他の楽器屋に行ってアンプを購入。
昼過ぎからストリートライブをしようと、許可されているエリアをふらふらしたのだが、すでに現地ストリートミュージシャンの社会ができているわけだ。
申請規約には載っていないローカルルールというものがあるようで、
『今演奏しているミュージシャンのすぐそばに自身の楽器を置いて、その人が終わるまで待つ』というのが当たり前らしい。
これは近くにいた順番待ちをしているミュージシャンに声をかけて教えてもらったわけだが、そんなことは知らないため演奏できそうなスペースを探してしばらくフラフラしてしまった。
規約には、他の演奏者から50メートル以上距離をとってパフォーマンスするように書いてある。
グラフトンストリートという場所に限っては、時計で12の位置から開始して一時間という時間制限がある。
なので他のミュージシャンが終わるまで順番待ちをしていればいいわけだ。
さて、ローカルルールを知ったところで他のミュージシャンのそばに楽器を置いて待っていたのだが、
中井のギターケースに犬が近寄ってきて、小便をかけるという事件が発生。
そのうえ飼い主は無視を決め込んで去っていく。
本当にアイルランドという国は、、、
ギターケースを拭くために移動。
その間に他のミュージシャンに場所を取られてしまったわけだが・・・。
仕方ないので、メインであるグラフトンストリートを離れて、他にストリートミュージシャンを見かけたことのあるエリアを歩き回る。
そのあたりは競合が少ないうえに、同じ場所で2時間まで演奏していいというルールになっている。
良さそうな場所を見つけて、アイルランドで初めてのストリートライブを開始。
1時間ほどの演奏だったが、多くの人にカメラを向けられ、投げ銭もいただいた。
日本でストリートライブをするより、やはり反応が良い。
こちらでのバイト先の時給よりやや儲かったくらいだ。
なにせ要らぬ苦労も多い一日だったが、海外で何かをぶつけるということがついに叶ったのだ。
それだけで今日は満足とする。
反応の良い曲、悪い曲
傾向が見えたので、次回へ対策を練る。
オリジナルしか演奏できない中井だが
やればなにかしらの反応が得られる。
それがわかったのだから
この先に待つ戦いが楽しみで仕方ない。