Takayoshi Nakai
JPN / ENG

DAY 13 – 自炊生活

生来なにかに打ち込み、もくもくと物を作るのが好きだ。
子どもの頃は工作屋、牛乳パックや新聞紙で何かを作ったりが好きだった。

ある程度の年齢になるとレゴブロックなどでよく遊んでいた。

説明書のついた決められたものを作るより、自分で想像して水陸両用の車だとか、こうすれば空も飛べるなどとありったけのブロックで組み合わせて遊ぶのが好きだった。

 

学校のお勉強はできない子だった。

図工と音楽だけはAが付いたが、お勉強科目などはからっきし駄目な子だった。

あれは先生のお情けかと思うが、『関心・意欲・態度』という項目だけはどの科目もAが付いた。
実際大人の話を聞く態度はとても良かったらしい。
良く聞いていたのに内容はわかっていなかった・・・なんとも残念である。

 

そんな気質からか、今も何かを作るのは好きだ。

同じような感覚で、文章を書いたり料理をしたりも好きだ。

もちろん音楽も作る。
レコーディングからミックス、マスタリングに至るまで、自分でやらなければ気が済まないほどに。

 

なのでシェアハウスに引っ越して、調理場があるのは大変ありがたい。

料理は得意ではないが好きであるし、極めようという姿勢はないが、願わくばおいしい物を食べたいと常日頃から思っている。
先日買ってきた消費期限間近のステーキ肉もある。

 

引っ越してきたばかりで具材も調味料も最低限だが、マヨネーズと魚醤で味をつける。

それはもう、うきうきと料理をする。

コンロは電気コンロのため火加減がよくわからない。
豚肉でいきなり腹を壊しては面白くないので、よく焼く。

結果、おいしい。

 

久しぶりにガッツリと肉を食べたので元気も湧いてきた。

 

午後は家の目の前にある公園でギターの練習をする。

途中数人の近隣住民がやってきて、演奏を聴いて声をかけてくれた。

 

これには大きな意味を感じる。

言葉の通じない国に来て、演奏すること。
それが彼らの知らない我がオリジナル曲だとしても、耳を傾け優しい声をかけてくれる。

これを街中でやれたらどうだろう。

 

希望が持てる良い一日であった。

(Author: Takayoshi Nakai 09/11/2023)